ORANSSI PAZUZU

オランシ・パズズはフィンランドのブラックメタルバンド。パーカッション兼キーボードを含む5人編成。サイケデリックロックの影響を受け、ミニマル音楽や即興音楽、アンビエント音楽などを取り入れたオルタナティブ・ブラックメタル。

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MUUKALAINEN PUHUU

MUUKALAINEN PUHUU

2009年。輪郭が曖昧な環境音風シンセサイザーが、このバンドの音楽的特徴を決定している。70年前後のサイケデリックロックに大きな影響を受けており、3曲目は邦訳すれば「蜃気楼1968」となる。4曲目もその傾向が強い。8分ある6曲目、9分ある8曲目はボーカルがブラックメタルの歌い方でなければそのままサイケデリックロックだ。アルバムタイトル曲はインスト曲で、ドラムやリズム音がない即興音楽。5曲目はブラックメタル。

2

KOSMONUMENT

KOSMONUMENT

2011年。アルバムタイトルはコスモスとモニュメントと合成とみられる。したがって曲調は宇宙をイメージした暗く広大な世界を持つ。メンバーの楽器編成もギターは「ディープ・スペース・ギター」、キーボードには「コズミック・エフェクト」と記されている。アルバムの前半と後半で、曲の雰囲気を変えている。前半はデビュー盤に比べ、ロック方面に傾いた。即興演奏よりもバンドアンサンブルを重視している。後半の6、7、9曲目は即興性が高くなり、最後の10曲目は前作のアルバムタイトル曲のようにドラムのないアンビエント音楽。

3

VALONIELU

VALONIELU

2013年。5分前後の短い3曲と、12分、15分の長い2曲で構成。曲の長さによって雰囲気が変わるわけではなく、短い曲でもサイケデリックロック風になる。即興に頼る部分が少なくなり、フレーズの反復を用いながらもアンサンブルを維持する。長い曲はサイケデリックというよりも実験的なロックだ。

4

VARAHTELIJA

VARAHTELIJA

2016年。特定のフレーズをずっと繰り返すミニマル音楽の影響が大きい。ギターの持続音が微妙に揺れるのはシューゲイザー風に聞こえる。即興ではないがそれに近い演奏、空間を感じさせるエフェクト、これらが1曲の中に詰め込まれる。サイケデリックロックはもともと薬物の影響下にあるロックを指していたが、このアルバムは既存のスタイルとしてブラックメタルに取り入れられている。出てきた背景が異なる音を新たな言葉で指し示す必要があるが、適当な用語は出てきていない。これまでで最も長い17分台の曲が含まれている。

5

MESTARIN KYNSI

MESTARIN KYNSI

2020年。邦題「鉤爪の主」。ギターが交代。アルセストやデフヘヴンと同じように、ブラックメタルから大きく曲調を広げており、これをブラックメタルと呼ぶにはイメージが違いすぎるだろうというところまで来ている。「新しいテクノクラシー」ではアンビエント音楽も復活している。「地下からの呼び声」はこれまでで最もエレクトロ音楽の意匠に近づいた。「天国の門」はシューゲイザーが入ったブラックメタル。このアルバムで日本デビュー。

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