HAIM

ハイムはアメリカの姉妹3人組ロックバンド。80年代風のロックをやっていたが、「ウーマン・イン・ミュージックPart III」で音楽性を広げて高い評価を得た。

DAYS ARE GONE

DAYS ARE GONE

2013年。3人全員がボーカルをとり、ドラムはドラムセットとプログラミングを併用する。ドラムはメンバーが演奏している。70年代から90年代のさまざまなタイプの曲が並び、キーボードも80年代風の使い方で幅広い世代に受け入れられやすい。むしろ2000年代以降を象徴する電子音を避けた音響が2010年代には新鮮に映る。「フォーエヴァー」はニューウェーブ寄りのロック。「ザ・ワイアー」は70年代イギリスのグラムロック風。「マイ・ソング5」はいいアクセントになっている。デビューアルバムで音の方向性を固定しなかったのがよかった。

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SOMETHING TO TELL YOU

SOMETHING TO TELL YOU

2017年。プログラミングが減り、多くの曲がボーカル3人、ギター2本、ベース、ドラム、キーボードで構成される。11曲のうち4曲はヴァンパイア・ウィークエンドのロスタム・バトマングリがプロデュースしている。アンサンブルの整合性は80年代に近い。メンバー全員が全曲の作曲に関わっていることになっているが、曲によってメインの作曲者が違うだろう。それが曲の幅につながっている。ボーカルハーモニーは前作より向上した。

3

WOMEN IN MUSIC PT III

WOMEN IN MUSIC PT III

2021年。音楽性が大幅に広がり、ロックから抜け出している。80年代音楽のイメージはほとんどない。ロスタム・バトマングリが作曲とプロデュースに全面参加している。この音楽性の広がりが、メンバーにもともと備わっていたものか、ロスタム・バトマングリが引き出したものか分からないが、いずれにしろハイムが長く活動できる可能性を大きくした。アルバムタイトルは音楽業界の中の女性をそのままタイトルにしており、社会性も高い。オープニング曲の「ロサンゼルス」はイントロからサックスで始まるジャズ寄りのポップスでこれまでのイメージを覆す。「アイ・ノウ・アローン」「3AM」はプログラミング中心で、「3AM」はスクラッチも入る。「アップ・フロム・ア・ドリーム」はバブルガムポップのリズムをうまく使った。2分しかないギター弾き語りの「マン・フロム・ザ・マガジン」は女性蔑視の男性雑誌記者を歌う。

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I QUIT

I QUIT

2025年。前作の曲調を維持している。前作と比べれば新しい年代の音響に寄っている。その分整合感のある曲が増え、緊張感や意外性が減ったように見える。一貫して全曲がメンバー3人の共作になっているが、メインの作曲者を明示して個性の違いを出してもいいのではないか。「ゴーン」はローリング・ストーンズ風。アップテンポの「テイク・ミー・バック」、ブルースロックの「ブラッド・オン・サ・ストリーツ」はいい曲だ。最初のシングルになった「リレイションシップス」はアルバムを代表している音ではないが、方向性は示している。

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